養子縁組届の記載方法と提出方法

さて、今回は養子縁組について紹介したいと思います。

養子縁組を結ぶときに必要となる養子縁組届は他の戸籍の届出と比べてかなり複雑ですので注意が必要です。

養子縁組とは?

養子縁組は血縁的親子関係のない者同士、あるいは血縁的親子関係であっても嫡出親子関係のない者同士の間に人為的に親子関係を作り出す制度です。

法律上親子とういう関係をつくり出す以上は、養子関係にある者同士間の相続や親権(未成年の場合)も発生することになります。

普通養子縁組と特別養子縁組

養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があります。

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普通養子縁組とは?

普通養子縁組は、イメージとしては大人同士の養子縁組です。

普通養子縁組を結ぶと、親になる方は「養親」、子どもになる方は「養子」と戸籍に記載されます。

この時、養子になる者は実の親である実親との親子関係は今まで通り継続されます。

そのため、二重の親子関係が生まれることになります。

特別養子縁組とは?

皆さんがイメージする養子縁組はこちらにあたるかもしれません。

特別養子縁組は、普通養子縁組と異なり、戸籍上は実親との親子関係は切断されます。

特別養子縁組を結ぶと、戸籍には、養子縁組をした養親が実の親として記載されることになります。

したがって、特別養子縁組においては、子どもは実の子どもとして取り扱われることになります。

また、両者には相続や親権(養子が未成年の場合)が発生します。

養子縁組の成立要件

これも普通養子縁組と特別養子縁組にわけて考えます。成立要件も両者では相違点が多いので注意が必要です。

普通養子縁組の成立要件

養親

・成年者でなければならない(婚姻擬制の場合でもOK)

・配偶者はいなくても良い

養子

・養親より年上ではならない

・直系尊属ではならない

成立要件

①縁組意思の合致(2人が縁組をする意思をもっていること)

②実親の同意は不要

※ただし、15歳未満の子を養子にする場合には法定代理人の承諾が必要です。

(③家庭裁判所の許可(養子になる者が未成年の場合))

特別養子縁組の成立要件

こちらの方が要件が厳しく複雑です。

養親

必ず配偶者があること(一方が死亡している場合は認められません)

※必ず夫婦が共同で縁組みをすることとされています。

・25歳以上以上でなければならない。

養子

6歳未満である

※ただし、6歳未満のときから養親が看護していた場合など特別な場合は8歳未満に条件が緩和されることがあります。

成立要件

家庭裁判所の許可

※6ヶ月の試験養育期間アリ

※ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合には家庭裁判所の許可は必要ありません(民法第798条但書)

②実親の同意

※特別養子縁組をすると養子離縁は将来にわたって原則はできません。

養子縁組届の提出方法

養子縁組をするには、市区町村に届出をする必要があります。

届出人

養親及び養子となる者

※養子となる者が15歳未満の場合は縁組みの代諾をする者が届出人になります。

届出地

養親もしくは、養子の本籍地または住所地

必要書類等

養子縁組届

これは市区町村の住民課(市民課、区民課、町民課など)に用意してありますので、予めもらっておきましょう。

戸籍謄本

これは、養親、養子双方の戸籍謄本が必要になります。

※ただし、本籍地が届出地の場合は添付不要です。

印鑑

届出人である養親及び養子の印鑑が必要です。

※届出印で構いませんが、シャチハタ印は避けましょう。

本人確認書類

運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど

養子縁組届の記載例

普通養子縁組届

特別養子縁組届

届出日、宛名欄

ここには市区町村に届出をする日付と宛名を記載します。

(例)平成28年3月16日 福山市長殿

氏名、生年月日欄

ここには養子になる方の名前と生年月日を記載します。男女で記載欄が異なります(養子と養女)ので注意しましょう。

※氏名は戸籍に記載されているとおりに記載します。字体も戸籍記載に必ず合わせるようにしましょう。

※生年月日は和暦で記載します。

住所、世帯主欄

ここには養子になる方の住所地と世帯主を記載します。

(例)住所:埼玉県秩父市熊木町8番15号 世帯主:戸籍 太郎

※住所と世帯主は住民票に記載されているとおりに記載しましょう。

本籍、筆頭者欄

ここには養子になる方の本籍地と筆頭者を記載します。

(例)本籍:埼玉県蓮田市黒浜2799番地1 筆頭者:戸籍 次郎

※本籍地や筆頭者名の表記は必ず、戸籍に記載されたとおりに記載しましょう。

父母の氏名、父母との続柄欄

ここには養子になる人の実親の現在の氏名と続柄を記載します。

(例)父 印鑑 太郎  続柄 二男

母 印鑑 華子

入籍する戸籍または新しい戸籍欄

ここは判断が難しいので、窓口の職員の方に聞いて記載することを強くおすすめします。

(例)養親が未婚で新しい戸籍をつくりそこに養子が入る

☑養親の新しい戸籍に入る

広島県福山市東桜町3番  筆頭者の氏名 養親 太郎

(例2)養子を筆頭者として養親の氏で新しい戸籍をつくる

☑養子夫婦で新しい戸籍をつくる

広島県尾道市久保一丁目15番  筆頭者の氏名 養子 一郎

監護をすべき者の有無欄

通常は記載しません。監護者がいる場合にのみ記載します。

届出印署名押印欄

養子になる方の署名押印をします。

また、隣の欄外に捨印を1つ押すようにしましょう。

届出人(養子となる人が15歳未満のときに書いてください)欄

ここは、養子になる方が15歳未満の場合に(親権者たる)実親などが住所、本籍、筆頭者、署名押印、生年月日を記載します。

ここから用紙の右側に移ります。

氏名生年月日欄

ここには、養親となる方の氏名生年月日を記載します。

※氏名は字体も含め戸籍記載のとおりに記載しましょう。また、生年月日は和暦記載が原則となります。

住所欄

ここには、養親となる方の住所地、世帯主を記載します。

(例)岡山県倉敷市西中新田640番地 世帯主の氏名 養親 太郎

本籍欄

ここには、養親となる方の本籍地、筆頭者を記載します。

(例)広島県福山市東桜町3番  筆頭者の氏名 養親 太郎

その他欄

配偶者がいる方が養子になる場合、夫婦の一方が単独で縁組できますが、配偶者の同意が必要です。

その同意をとりつけた旨をこの「その他欄」に記載します。

(例)

この養子縁組に同意する。養子の妻 養子 良子 ㊞

養子 良子は養子である夫 一郎の新戸籍に入籍する。

良子の住所は夫と同じである。

届出人署名押印欄

ここには、養親となる人の証明押印をします。

また、欄外に捨印を押しておきましょう。

証人署名押印生年月日欄

ここには証人となる方の署名、押印、及び生年月日の記載をしましょう。

証人は成年の方2人になってもらう必要があります。

証人住所欄

ここには証人の方の住所を記載してもらいます。

住民票に記載されているとおりに記載してもらいましょう。

証人本籍欄

ここには、証人の方の本籍を記載してもらいます。

本籍は戸籍に記載されたとおりに記載してもらいましょう。

欄外連絡先欄

ここには、日中連絡がとれる連絡先を記入しましょう。

届出の内容が複雑なため、記載ミスなどがあった場合には市区町村の職員の方から電話連絡が入る可能性があります。

特別養子縁組特有の記載欄

(5)判定確定の年月日

これは、家庭裁判所から特別養子縁組の許可がなされた年月日を記載します。

(6)養父母との続き柄

ここには、養親となる方との(予定される)続柄を記載することになります。

まとめ

いかがでしょうか?

養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があります。

普通養子縁組は養子と実親との関係は継続され、要件が緩やかです。

一方で、特別養子縁組は、幼い子どもの福祉に反することが無いように原則として家庭裁判所が関与する仕組になっています。

提出書類などについては標準的なものを記載しましたが、場合によってはさらに必要な書類がある可能性があります。

提出先の市区町村職員に事前に相談されることを強くおすすめします。

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