戸籍にマイナンバー導入へ

さて、今回はマイナンバー(個人番号)に関する最新のトピックをご紹介します。

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戸籍にマイナンバー導入へ

法務省は、戸籍の証明(戸籍謄本や戸籍抄本)の添付が必要な手続について、マイナンバーカードを提示すれば戸籍の証明(戸籍謄本や戸籍抄本)の添付を省略できるようにする方針を発表しました。

参考 戸籍制度とマイナンバー制度

ここでは、このトピックの前提となる2つの制度をご紹介します。

戸籍制度

戸籍制度は、日本国民一人一人について出生から死亡するまでの「身分関係」を戸籍簿に記録する制度です。

具体的な例としては、氏名、性別、出生年月日、本籍地、両親、婚姻や離婚、死亡などについて記載されます。

ちなみにこの戸籍事務の所管省は《法務省》です。

マイナンバー制度

簡単に言えば、国民一人一人に12桁の個人番号(マイナンバー)を付番し、各行政機関が分散管理する個人情報を紐付けする制度です。

これにより、行政機関が情報連携をできるようになり、行政手続の簡素化・効率化が実現できるとされています。

ちなみにマイナンバー(個人番号)制度の所管省は《総務省》です。

今までと何が変わるのか?

戸籍事務にマイナンバーが導入されると、マインバーカードを提示すれば、婚姻届の提出、パスポート申請、年金の請求手続などで戸籍謄本や戸籍抄本の提出が不要になります。

この、戸籍謄本や戸籍抄本は本籍地市町村しか発行できなかったために、今まではわざわざ本籍地市町村の窓口へ出向くか、郵便で請求する必要がありました。

しかも、平均取得費用は戸籍謄本・戸籍抄本で450円、除籍謄本については750円もします。

その点、今回のマイナンバー制度と連携すれば、どこの行政機関の窓口で手続をとる場合でも戸籍関連の書類を労力と費用を惜しんで取得する手間が省けることとなります。

具体的な手続きの例

婚姻届の提出、パスポートの申請、年金の請求、相続など

具体的な仕組

戸籍事務へのマイナンバー導入と報道されていますが、具体的な仕組についてご紹介します。

私たちは誰でも一人一つのマイナンバーを持っています。

今回の制度改革では、このマイナンバーに戸籍の情報を紐付けするということなんです。

どの行政窓口でも12桁のマイナンバーを入り口に、戸籍関係の情報を確認できるようになります。

これにより、各手続で戸籍関係の証明書を添付する必要が無くなるというわけです。

「マイナンバー」 -紐付け- 「戸籍記載情報」

現状と課題

以下は、今後、戸籍にマイナンバーを導入する場合の課題です。

システム連携

現在は、自治体により戸籍事務で使用しているシステムが異なります。

このような状況では、データの共有は難しくシステムや規格の統一などの対策が必要になります。

A市 ⇒ 日立
B区 ⇒ 富士通
C町 ⇒ NEC
D村 ⇒ 両毛システムズ

まだ検討段階なのでどうなるかはわかりませんが、法務省では、全国2カ所に戸籍に関するデータを保管する施設をつくり、一元的に管理することを検討しているようです。

戸籍の電算化

さて、上記は戸籍がデータ化されてシステム上で管理されていること(以下「戸籍の電算化」という。)を前提でご紹介しました。

しかし、一部はまだ紙の戸籍で管理している自治体があるのです!

そのような自治体の窓口で戸籍謄本や戸籍抄本を請求すると、古い紙の戸籍をコピー機で複写し、公印を押印し発行しています。

このような自治体がマイナンバーと連携しようとする場合には、まず「戸籍の電算化」をするのに膨大な手間と費用がかかります。

マイナンバーを導入する戸籍事務の範囲

一概に戸籍といっても、戸籍には一般的な「現在戸籍」だけでは無く明治時代に作成されたような古い縦書きの戸籍まで様々なものが存在します。

このような戸籍の中でどこまでをマイナンバーと結びつけるのかも、今後の検討課題になることと思います。

というのも、「現在戸籍」については電算化されている自治体が多いのですが、それ以外の古い戸籍については紙の台帳で保管している自治体も少なくないのです。

セキュリティの不安

マイナンバーに様々な情報が紐付けされるということは、私たちや行政機関にとっては便利で大変メリットのあることです。

しかし、これはマイナンバー制度を悪用しようと考える者にとっても同じことです。

戸籍というプライバシーの核となるような情報とマイナンバーを結びつけるということは、今まで以上に情報セキュリティを強化する必要があるように感じます。

私たちの家族の情報や婚姻歴、離婚歴までもが流出してしまったら大変なことです。

ちなみに今までは、各自治体の戸籍システムは外部環境からは遮断されたシステム環境で運用されているようです。

これがオンラインで情報共有する場合には、情報が流出する危険性も増すのではないでしょうか?

今後の予定

法務省は、戸籍事務にマイナンバーを導入する方針で、9月の法制審議会に戸籍法の改正について諮問することとしています。

そして、2019年の通常国会へ戸籍法改正法案を提出したいとしています。

まとめ

いかがでしょうか?

今回は戸籍にマイナンバーが導入されるという最新のトピックについて紹介しました。

戸籍へのマイナンバー導入については大きなメリットがあります。

その反面、様々な課題や不安な点もあります。

皆さんはこのトピックについてどのように考えますか?

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