さて、今回はパスポートに埋め込まれているICチップについて紹介します。
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パスポートにはICチップが埋め込まれている
私たちが持っている2006年3月20日以降に交付されたパスポートには本人確認情報が記録されたICチップが埋め込まれています。
ちなみに、ICチップはパスポート冊子中程のプラスチックカードのページに埋め込まれています。
パスポートのICチップに記録されている情報
ICチップには旅券名義人の氏名、国籍、生年月日、パスポート番号、旅券面情報のほか顔写真が記録されています。
他の国においては、指紋や瞳の虹彩情報を記録することも検討されているようです。
ICパスポート導入の目的
パスポート偽変造の防止
国際的な犯罪組織やテロリスト等による不法入国を防ぐことへの国際社会の強い要請によりICAO(国際民間航空機関)がICパスポート国際標準を定めました。
これにより、偽変造が困難なICパスポートが導入されることとなりました。
パスポート不正利用の防止
ICチップによる本人確認ができるため、パスポートが盗難等にあったとしても、私たちの身分を装った不正利用の抑制効果が期待できます。
スムーズな出入国
ICパスポートにより、本人確認・パスポートの真贋判定等が容易になり、出入国審査の時間が短縮されることが予想されます。
ICパスポートの申請手続
ICパスポートの申請に特別な手続は必要ありません。
私たちが、パスポートの発給申請をすると交付されるパスポートは例外なく全てにICチップが搭載されています。
パスポートが交付される際には、窓口でICチップに記録された情報の確認をすることができます。
ICチップが破損してしまった場合
ICチップが破損してしまった場合は、パスポートを作り替える必要があります。
ICチップが壊れてしまっていても、渡航は可能ですが、ICチップが読み取れない場合はICAO(国際民間航空機関)ガイドラインによって、より時間をかけ厳正な入国審査なされることとなります。
ICパスポート取扱い上の注意点
強い磁気に近づけない
テレビや携帯電話、電子機器類による磁気がICチップの動作に悪影響を及ぼす可能性があります。
こういったものへ近づけることはICチップの破損につながりますので避けましょう。
ICパスポートの不正読取りに注意
パスポートのICチップの規格はICAO(国際民間航空機関)が策定した国際基準により作成されています。
その技術情報が一般に公開されていることからICチップを読み取り、その情報を蓄積することが可能となっています。
空港、出入国管理以外の場所でICパスポートの提出を求められた場合には注意が必要です。
参考 ICチップの不正読取り
ICチップは読取り装置に10センチ以上近づけないと読み取れないようになっています。
そのため、知らない間にICチップに記録された情報が読み取られることは少ないでしょう。
むしろ、パスポートの提出を求められた場合の方が注意が必要です。
まとめ
いかがでしょうか?
2006年から導入されたICパスポートによって、パスポートの偽変造防止やスムーズな出入国が可能になりました。
一方で情報の管理など取扱いの管理に注意が必要な点もあります。