さて、今回は国籍の選択について紹介します。
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国籍は2つ持つことはできない
日本の国籍と外国の国籍を持つ人は、一定の期限や年齢までに、いずれかの国籍を選択する必要があります。
国籍の選択をしないで放置していると、日本国籍を失ってしまうことがあるので注意が必要です。
国籍法第14条1項
(国籍の選択)第14条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が20歳に達する以前であるときは22歳に達するまでに、その時が20歳に達した後であるときはその時から2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
出典:「法務省ウェブサイト」
国籍を選択する必要がる人
国籍選択をする必要がある人は、重国籍(日本国籍と外国籍を持つ)の人です。
※外国の国籍は、その国その国で異なった法律により規定されています。詳しくは、相手先の国の関係機関に問合せて確認すべきです。
国によってどの者に自国の国籍を与えるかは異なりますが、その大枠は以下の2つとなります。
血統主義
これは、生まれた子どもは親の国籍を継承するという仕組みです。
例えば、血統主義を採用しているお父さんがイタリア国籍であった場合には、その子どもは出生時にイタリア国籍を取得することになります。
日本も血統主義を採用する国です。
また、血統主義は「父母両系血統主義」「父系優先血統主義」に大別されます。
父母両系血統主義
父親もしくは母親が自国民国であれば、その子に親と同じ国籍を与えることになります。
(父母両系血統主義を採用する国)
父系優先血統主義
父親が自国民の場合にのみ、その子に父親と同じ国籍を与えます。イスラム諸国で採用している場合が多いようです。
(父系優先血統主義を採用する国)
出生地主義
これは、ある国で生まれた子どもは、その国が国籍を与えるという仕組みを採用する場合です。
例えば、出生地主義を採用しているアメリカではアメリカ国内で生まれた赤ちゃんにはアメリカ国籍を与えることとなります。
出生地主義を採用する国
国籍を選択する期限・年齢
以下は、重国籍になっている方が国籍を選択するまでの期限です。
①20歳に達する以前に重国籍になった場合
22歳に達するまで
②20歳に達した後に重国籍となった場合
重国籍となった時から2年以内
具体的な国籍の選択方法
日本国籍を選択する場合
①外国の国籍を離脱する方法
相手国の法令に従って、外国籍を離脱する手続きを行います。その後、「離脱を証明する書類」を添付して市区町村へ「外国国籍喪失届」を提出します。
※離脱手続については、外国の政府機関や日本国内の大使館・領事館へ相談しましょう。
②日本の国籍の選択を宣言する方法
日本国籍の選択宣言し、「外国籍喪失届」を市区町村または在外公館に提出することで国籍選択義務を果たしたことになります。
ただし、この宣言を有効と認めるかどうかは相手国次第となります。
相手国がこの宣言で国籍離脱を認めない国である場合は、相手国の法令に従って当該国国籍の離脱に努めなければなりません。
※宣言手続については、市区町村または在外公館に相談しましょう。
※離脱手続については、外国の政府機関や日本国内の大使館・領事館へ相談しましょう。
外国籍を選択する場合
①日本の国籍を離脱する方法
住所地管轄の地方法務局もしくは在外公館へ「国籍離脱届」を提出します。
②外国の国籍を選択する方法
市区町村もしくは在外公館へ「国籍喪失届」を提出します。
出典:「法務省ウェブサイト」
まとめ
いかがでしょうか?
今回は、国籍選択について紹介しました。
国籍の選択は日本と相手国それぞれの法律に従って行う必要があります。
国籍選択の期限までに国籍を選択するための準備を進めておきましょう。
また、疑問点がある場合は必ず日本の政府機関や相手国の政府機関に相談するようにしましょう。