さて、今回は「住民票の除票」の保存期間が延長されるというニュースを紹介します。
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住民票の除票とは?
市区町村では住民登録がある住民の住民票を作製し、管理しています。
この住民が転出(市区町村外への引越し)したり、死亡した場合になどには住民票が消除されます。
この消除された住民票の記録を「住民票の除票」と呼びます。
住民票の除票の取り方
住民票の除票は消除された住民票があった市区町村へ請求することで住民票と似たような証明書として取得することができます。
注意点としては、住民票の除票は住民票があった市区町村へ直接請求する必要があるということです。
引越しにより住民票が消除された場合は、現住所地の市区町村ではなく旧住所地の市区町村で取得する必要があります。
詳しくい住民票の除票の取得方法は下記の記事を参考にしてください。
住民票の除票の保存期間は5年
住民票の除票には保存期間が法律で定められています。
現在の住民票の除票の保存期間は原則として5年とされています。
この5年というのは、最低保存期間です。
ですので自治体によっては、5年よりも長く保存している場合もあります。(10年や15年という自治体もそれなりにあります。)
住民票の除票の保存年限が経過してしまうと、住民票の記録は台帳から完全に抹消されてしまいます。
つまり、各自治体が定めた保存年限を経過すると、住民票の除票を証明書として取得することができなくなります。
住民基本台帳法施行令
第三十四条 市町村長は、第八条、第八条の二、第十条若しくは第十二条第三項の規定により消除した住民票(世帯を単位とする住民票にあつては、全部を消除したものに限る。)又は第十九条の規定により全部を消除した戸籍の附票を、これらを消除した日から五年間保存するものとする。第十六条(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定に基づき住民票又は戸籍の附票を改製した場合における改製前の住民票又は戸籍の附票についても、同様とする。
住民票の除票の保存期間が150年に?
上記のとおり、現行法では住民票の除票の保存期間は原則として5年と定められています。
しかし、住民票の除票が5年で抹消されてしまうと様々な手続きで不都合が生じます。
例えば、最近、よく聞かれるようになった「空き家問題」や「所有者不明地問題」では土地や家屋の所有者を住所の履歴から特定する必要があります。
ですが、住民票の除票が保存年限経過で5年で抹消されてしまうと住所の履歴を確認する手立てが失われてしまいます。
(ちなみに、住所の履歴を証明できる証明書として他に戸籍の附票というものもあります。)
そこで、今回のニュースへ結びつきます。
法務省の有識者研究会が上記のような問題の解消のために中間報告で「住民票の除票の保存期間を『150年』とする提言」をおこなったのです。
もし、この住民票の保存期間が150年とされれば空き家や空き地の所有者が誰なのか特定することができ、「空き家問題」「所有者不明土地問題」が解消するケースも増えることかと思います。
いつから住民票の除票の保存期間が150年になるの?
今回の「住民票の除票の保存期間が150年になる」というのは未だ、法務省の諮問機関が提言を示したに過ぎません。
ですので、いつから住民票の除票の保存期間が150年になるかはわかりません。
しかし、様々な問題を解消させるためには、そう遠くないうちに実現されるのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしょうか?
今回は、法務省の有識者研究会が、住民票の除票の保存期間を150年とすることを提言したというニュースを紹介しました。
どうぞ参考にしてください。